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2008.5.3

piece と room

フランス語は英語にくらべたら単語総数が少ない、なんてことを聞いたことがあります。ってことは、一つの単語に含まれる意味が多様化しているということで・・・。

最近、「へぇ〜」と思ったのが、「pièce(ピエス、という感じの発音です)」という単語。英語でいうところの「piece」の意味と「room」の意味を併せ持っているそうなのです。

これってもしかしたら、「部屋は家の一部分」という考え方なんでしょうか?こじつけ?(^_^;

ちなみに、手元の辞書によると。

【 pièce 】

1. 部屋
2. 1個, 1つ, (全体の)1部, 1点, 1品
3. 部品, パーツ, (服などの)ピース
4. 貨幣, 硬貨, コイン
5. 書類, 証明書, 証拠品
6. 戯曲, (文学・音楽の)作品
7. かけら, 破片
8. (つぎ用の)当て布, 布切れ
9. (狩猟の)獲物, (釣った)魚
10.(土地の)1区画
11.(ゲームの)駒(チェスでは歩pions以外の駒をさす)
12. 大砲, 砲兵隊

うわぁ、いっぱいある・・・。

さらに、「部屋」の意味で使う時には「寝室(chambre)」「リビング, 居間(salle de séjour)」「ダイニングルーム, 食堂(salle à manger)」などは含まれるけど、「キッチン, 台所(cuisine)」「風呂(salle de bains)」「トイレ (w.-c.)」は含まれないとのこと。

類似の「salle」の方は、英語でいうところの「hall」と「room」の意味を含んでいるようです。ふぅ。

* * *

ところで、「部屋は家の一部分」という話で思い出しましたが。

どこかの洞穴住居でのお話。

AさんとBさんは隣り合って住んでいました。

ある時、Aさんの家の部屋の一つをBさんに譲ることになったそうなのです。理由は、子供が独立した、あるいはお金に困ったから、などそんなところなのでしょうか。

通常は、「一つの部屋だけをゆずる」なんてことは難しいかもしれませんが、それはそこ、洞穴住居。譲ることになった部屋のAさん宅側の壁の塗り込めてつぶして、Bさん宅側に穴を開ければ大丈夫!

なんだか、面白いなぁと思いました。

2008.4.19

アレクサンドリア図書館とペルガモン図書館

もう何年も読もうと思いつつ放置していたアレクサンドリア図書館の謎を、やっと読み終えました。

あまりの登場人物の多さに面食らいつつも(苦笑)いろんな人々の思惑やこだわりや歴史背景が交錯する様が面白かったです。

この作品は「第1部 伝説」と「第2部 原典」の2部構成になっているのですが、「伝説」の方は、それぞれの章が短編風に語られていて読みやすく、好みでした。

そして、その伝説の中でアレクサンドリア図書館ペルガモンについて比較していた部分がありました。ヘレニズム期の双璧をなす大図書館です。

ペルガモンの研究方針はアレクサンドリアのものとはまったく違っていた。ペルガモンの学者たちは、ストア派の哲学の影響下で、古代のテキストに疑問を提示し、自由に答えを出していた、これはアレクサンドリアの学者たちには鳥肌を立たせるような行動だった。ペルガモンの学者たちは、その破格の理論によって、どんな奇妙な部分もテキストにそのまま残していた。これは放任主義的な基準だが、実際のところは、高名なテキストの章句全体を論難する恣意的態度よりも害悪は少なかった。

これに対し、アレクサンドリアでは「本を分類し、分冊し、書き写し、注釈を加えていた」とのこと。また、その課程で文脈として奇妙だと思われる部分は割愛することもあったとか。

情報をフィルタリングするかしないか、ということがまず大きな違いでしょう。

そして、奇妙だと思われる部分をカットしてしまうか、あるいは寓意的なものとして解釈するか、ということ。

書き写されたり、語り伝えられたり、翻訳されたり、虫食いその他で失われた部分を補足されたりしていくうちに、原書とは異なった記述になっていくことは、ある程度仕方がないことなのでしょう。もしかしたら、原書自体にも著者のミスによる記述がある場合もあるかもしれません。

より、純粋に正しいもの(正しそうなもの?)を残すという意味では、アレクサンドリア方式の方が確実なのかもしれません。でも、奇妙な部分を切り捨てていくということは、確実なものが残るというのはあるかもしれないけど、内容が「細く」なってしまうことはないのかな?と心配してしまいます。

真実はさておき、フィクションとして楽しむんだったらペルガモン方式の方が面白そうです。(笑)

なーんとなく、ネットで氾濫している情報を読み解くことにも似ているなぁ、と思ったのでした。

2008.4.13

りんこ【凛乎】

りんこ【凛乎】
凛然として近寄りがたい様子。
これは、「人」を形容する言葉なのでしょうか?
それとも、他のものでも良いのでしょうか。
場所、とか。

* * *

「オーラのある人」という表現がありますが。
私自身としては、あまりオーラに圧倒されたことがないかもしれません。
単に鈍感なだけかもしれませんが。
でも、作曲家の保科 洋 氏に握手してもらった時に、
感極まって泣いてしまったことがあります。
私自身はあまりオーラを発していない気がします。

* * *

神社などにたたずむ古木。
苔に覆われて注連縄をまとっていることも。
「ご神体」とは違う位置づけなのかもしれませんが、
ある種の霊力発しているようにも感じます。

* * *

意図的に作られた空間にも感じる緊張感。
ルイス・カーンが創った空間とか。
彼の空間を実際に体感したことはありません。
でも、いつかは体感してみたいのです。

* * *

自然現象は圧巻です。
フと振り返った時に、絶妙な角度で太陽光があたっている時とか。
想像を絶するような造形を創り出している時とか。

* * *

生き物もまた、凄いです。
あらゆる偶然が重なって、
今、この時にその造形を留めて生きているのですから。

* * *

静かで寂しい宇宙空間も。
殺伐としているようで、凛然としていて。
痛々しいくらい、美しい。