カテゴリー:夢想と幻想
2006.9.24
亀とチョコレートの青い粉
どうも夢見がよくない。
組み立て作業をしていると、どうしても眠りが浅くなる。普段は「睡眠ジャンキー」を自称するほど「速い・長い・深い」を誇る私の睡眠も、アイディア・企画・デザイン・ページレイアウト・スクリプト、その他もろもろを組み立てている時にはそうはいかない。浅い眠りの中でツラツラと仕事の続きをする状態が続いてしまうのだ。そんな時には日頃見ないような夢まで見てしまう。
* * *
夢の中の私は子供だった。小さな妹といっしょに夜中の爬虫類・両生類館の中で迷子になっていた。イグアナの視線に、ワニの呼吸に、亀の動く音にビクビクする私たち。
さらに困ったことに、妹は熱が出てきた。面倒見の良いおねえちゃんだった(たぶん?)私は「大丈夫、あっちに行けば、ここから出られるよ!」と励ましつつ、彼女の火照った手を引きながら歩き出す。本当は私だって途方にくれていた。
「この扉を抜ければ天国に行けるよ」誰かがささやいた。
え?天国?
たしかに、ほの明るい扉の向こうは魅惑的だった。でも、本当にそこに行くべきかどうかはわからない。妹の手は依然として熱い。困惑しながらあたりを見渡して、亀と目があって・・・。
ここで目がさめた。
* * *
気を取り直してもう一度眠る。
静かな場所にいた。並んだ白い石は墓標だろうか?
あたりは墓地にふさわしくないような甘い香りがただよっている。チョコレートの匂いだ。
よく見ると、それぞれの石の前にはチョコレートの断片が供えてある。それも、それぞれが儀式めいた不思議な形をしているのだ。
遠くで手招きをする人がいる。人恋しさからか、ついつい近づいていく私。
その人と何か言葉を交わしたかもしれない。男性だったか女性だったかも覚えていない。でも、気づいた時には髪を梳いてもらっていた。妙に気持ちが良い。
頭の上から、甘い粉がふりかけられる。チョコレートだ。でも、なぜか地面に落ちる粉は青い。鮮やかなコバルト・ブルーの粉だった。
甘い香りの青い粉に黒いものが混じっていく。私の髪が剃られているのだ。「生け贄になるには、髪を剃らなくてはならないからね」
え?生け贄?
ここで目がさめた。
* * *
どうも夢見が良くない。
2006.8.25
通り過ぎる緑
電車から外を眺める
遠くの風景はゆっくり過ぎていく
近くの風景は素早く過ぎていく
あまりにも素早すぎてカタチをつかむことすら、できない
カタチがまざる
イロもまざる
* * *
原生林の紅葉は魅力的
植樹林とちがって
雑多で力強くて思い思いに色づいているのに
とてつもなく美しく調和していく
緑のグラデーションの後にくるもの
* * *
・・・たしか、空気中をプカプカ浮いていたはずなのですが
気づいた時には緑の構造物に囲まれていました。
細胞壁、ってコレのことだったんですね。
突然、その中にある深い緑の物体に遭遇しました。
ぶつかる、とかそう言った破壊的なものはなく、
フワっと包み込まれる、と表現した方が適切でしょうか。
その瞬間、私のカタチは変わっていました。
一皮むけた感じでしょうか。
—O2氏の証言(かつてはCO2と呼ばれていた)
* * *
ゆるやかに青みが減退して赤みが増していく植物
一瞬のうちに緑が消えた「エメラルドの都」
2005.8.19
ペパーミント・グリーン
ペパーミント・グリーンの海の中にいた
ゼリー状で「ぷるん」としていた
いや、正確にはゼリー状ではない
ゲル状、と言った方がよいだろう
生暖かい
息が苦しくなる
空気が欲しい
上に行かなくては
上?どちらが上だろう
明るい方へ行けばよいのか?
頭の方?足の方?
動こうとする
ペパーミント・グリーンがまとわりつく
思ったように進めない
息が苦しい
その時、空気を吸うことを欲していると思っていた
勿論それもある
でも、本当は息を吐き出したかったのだ
久しぶりにそこへ行ってみた
海はなくなっていた
【旧 Short Tripより 2000.10.23】