2008.2.8
カラ、コロロ
螺旋階段を昇っていた。
息がきれる。
でも、上までのぼらないと。
鐘の音が鳴り終わる前に。
* * *
自家発電機の油の匂いが鼻をつく。
慣れない鼻緒でつま先が少し痛いけど
石畳の上を歩く音が心地良い。
* * *
窯のフタを開ける時はドキドキした。
折角作った土鈴が割れていたらどうしよう?
大丈夫。
素朴な、綺麗な音がした。
* * *
大昔の人が作った大理石のタテモノ。
今、ころがっていった石の欠片も、
当時はその一部だったのかな?
* * *
トマトは真っ赤に熟れていた。
「食べてごらん。でも、よく洗ってね」
畑のすみにある手動ポンプを
おばあちゃんが動かしてくれた。
冷たい水が勢いよく流れ出した。